コラム「人事とIT」

第2回 「プログラム」というブラックボックス

2011.08.27
さて、皆さんはプログラムを書かれたことがあるでしょうか。もしくは、「プログラム」というものを見たことがありますか?

ご自分で少しでもプログラムを書いたことがある方なら当然わかっていることかもしれませんが、目の前に見えているものは同じでも、裏のプログラムも同じだとは限りません。

似たようなWebサイトを利用してみて、とても使いやすいものと、何だか使いにくいものがあると感じたことがありませんか。同じ言語を使って同じシステムを構築しようとしても、プログラムを書いた人によってユーザーの使い勝手はまったく異なります。なぜなら、コンピュータの画面上で同じ動きをしているように見えるシステムでも、裏のプログラムを解剖すると、まったく異なる思想をベースに、異なる手法で書かれていることは珍しくないからです。

実は、このシステム設計の思想とプログラムの質の違いが、多くのシステム・パッケージベンダーが宣伝するところの「システムの『使いやすさ』『柔軟性』とか『拡張性』」というものに大きく影響しています。それは、時に、皆さんが今想像している以上に大きな差であって、その違いが将来のITのコストを大きく変えてしまうことも珍しくありません。

しかし残念ながら、ユーザーは、大抵の場合そのプログラムを見ることはできません。仮に見られたとしても、その質の違いを正確に判断することはできないでしょう。ですから、「運悪く」あまり精緻ではないプログラムに支えられたシステムやパッケージを選んでしまうと・・・

  • システムでやりたいと思っていたことが、いつまでも実現できない
  • 結局当初予想した以上の投資をしないと、自社で本当に使えるシステムにならない
  • ちょっとしたカスタマイズにも、とても時間がかかる
  • ほんの少しの変更なのに、一からすべて作り直すしかないと言われてしまった
  • システムのスピードが遅く、ともかく使いにくい
などという悲劇が起こってしまうわけです。

そんな悲劇の経験者が、「ITは金くい虫だ」といった認識を植えつけられているのではないかと思います。

「コンサルタントやSE(システム・エンジニア=システムの詳細を設計する人)がしっかりしていれば、システムの出来は保障されているのではないですか?」と聞かれることがあります。

確かに、コンサルタントやSEがしっかりしていなければ良いシステムやパッケージ製品はできません。しかし、彼らだけがしっかりしていれば必ず良いものができるかというと、否、です。システムを実際に動かすのは「プログラム」。しっかりとした技術を身につけたプログラマーがその経験や知識を駆使して書き上げたシステムと、そうでないプログラマーが書いたシステムでは、はっきりと大きく質の違いが出ます。

なかなかその質を見極めるのは難しいのですが・・・、システム選定の際には、そんなことも念頭においてほしいと思います。

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