コラム「人事とIT」

システム投資効果に大きな差を生む
今、人事に求められる『人材データマネジメント』の考え方(3/3)

2019.09.25

与えられたテンプレートだけでは、自社にとって有効なデータ活用はしきれない


図4:人材マネジメントは「未来」 自社にとって適切な問いがあってこそ

04.jpg システム/サービスでは様々な検査や分析手法が提供されているけれど、それらを自社の人材や組織のマネジメントの質の向上にどうやってつなげていくのかイメージできない、そこで得られた結果をどう活用していいかわかっていない、という声を聞くことがあります。

ある会社では、データを分析できる人材を雇ったけれど、人材や組織について何を分析すべきなのかの勘所がわからないことが課題だ、と聞いたこともあります。または、現場から分析依頼がきても、それが有効な分析なのかどうかの判断がつかないとも。

我々が向かい合っている人材・組織マネジメントは、「予測の難しい未来」です。過去の一般的な成功体験に基づいた問いかけで、過去のデータを分析しても、自社の経営・ビジネスにとって意味のある回答が得られる保証はありません。

もちろん、そうした結果や分析が、課題の発見につながったり、課題解決に向けての良いきっかけになる、もしくは失敗の確率を下げるためのヒントになることはあります。しかし、それらがそのまま、自社にとっての正解になると盲信してしまうことは危険です。

そもそも、自社の人材や組織の状況が、他社とまったく同じということはありえません。そして何より、人材や組織の未来の世界に、「絶対的な正解」はありません。

適性配置、選抜人事、キャリアプラン、等々。過去のデータを分析して、その結果に基づいて実施したとしても、その成否がわかってくるのには時間がかかります。何より多くの場合100%正解だったとか失敗だったと判断すること自体も難しいはずです。限りなく「良かったといえる」「悪かったと思われる」という状況があるのが現実でしょう。また、そこで「正解」と思われた考え方や方法を、現時点の(=ビジネス環境が変わっている)、他の人に当てはめたとしても、変数が多く同じような結果になるとは限りません。

だからといって、人材・組織マネジメントにデータ活用の意味がないと言っているわけではありません。「予測が難しい未来」に立ち向かわなくてはならないからこそ、データの活用の本質を理解したうえで、有効に行う必要がある、ということなのです。

人材データの活用の大きな目的は、

▶自社の課題を発見すること
(発見できる人に適切なデータを適時に提供すること)
▶自社にとって正しい優先順位で課題解決に取り組むこと
(取り組む人にデータで提供できること)
▶課題発見・解決のPDCAを回して、人や組織の知見・経験を蓄積、
アップデートしていくこと


です。そのサイクルが回る中で、自社にとって新たに必要となるデータを見つけ出し、それを確実に収集して格納し、自在に取り出す・・・という大きなサイクルが回っていく。そうした中でこそ、人材データの活用が価値のあるものになっていくのです。

図1:今求められる、「人材データマネジメント」のサイクル

01.jpg
堅固な「土台」があり、「適切な問い」があって初めて、有効な人材データの活用ができる、ということです。 皆さんの会社ではいかがでしょうか?

「人材データマネジメント」のサイクルを回していけるか否かが、システム投資の効果を上げていけるのか、導入したけれど使えていないシステムになってしまうかを、決めることになるのです。

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2019年9月25日

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