コラム

経営DXの推進、データ活用で成果を上げるために必要なことを考えます

コラム

これからの「経営情報システム」に求められることについて考える

2023.04.28

新しいニーズに応えようとした際に、従来のアプローチの前に立ちはだかる壁

 この2点を実現していこうとするとき、選択するツール自体に乗り越えなくてはならない壁があることを理解しておくことが重要です。言い方を変えれば、選択したツールの壁によって、「重要情報の統合」「現状分析から未来予測へ」の実現が困難になっている、とも言えるでしょう。

●Excelの壁

  • データベースではないので、時系列の情報やコードマスタの管理が困難

  • 関数やマクロを多用すると、作成者以外が扱えなくなる

  • 分析軸や分析方法が限定される

●基幹システムの壁

  • 基幹業務優先のため、情報系要件の開発の優先度が低く、タイムリーに対応できない

  • データの正確性が最優先のシステムのため、仮説検証には向かない

  • 利用者目線の柔軟なレポート機能を持たせることが難しい

●BI・既存パッケージシステムの壁

  • BIシステム・パッケージシステムの活用に最適な形でデータを用意する作業が大変

  • きめ細かい閲覧権限への対応が不十分、または設定が困難

  • 履歴や階層の考え方が重要になる人材・組織データの扱いが難しい

多くの企業が上記のツールを活用していますが、なかなか重要な意思決定を支援するシステム構築にまでたどり着けないのは、こうした理由からです。

そこで、体力のある企業は「自社開発」という選択肢を取るケースがあります。確かに、自分たちが必要だと思う仕組みを構築することはできます。しかし、実際に意思決定に活用されるようになると、様々な変更や追加修正の要望が出てきます。日本企業の場合、システム開発ができる人材の多くはIT企業にいるため、高度なシステム構築は外部に委託することになるのが現状です。そのため、変化に対応していくためには、その都度開発費用がかかり、その状態が続くことになります。

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