コラム

人材・組織マネジメントにおけるデータ活用で成果を上げるために必要なことを考えます

コラム

なぜ人事は、システム活用で自社の真の問題にたどり着けないのか? ~多すぎる外部からの情報、少なすぎる内部の情報~

2021.09.09

本稿執筆の背景にある問題意識
 「タレントマネジメントシステム」の導入が、日本で一般的に広がり始めてから10年余りがたちますが、ここ数年、以下のような声を聞くようになりました。

  ◉ 「肝煎りで導入したシステムが、思うような成果を出していない
   ✲ 結局データ参照+α 程度の利用にとどまっている。
   ✲ 使う人が限定されていて、思ったように利用が広がっていない。

  ◉ 「人材データの分析に取り組んでいるが、継続した活動にならない
   ✲ 分析資料を作成しているが、それを見た人(経営や現場)の行動変容を
     生み出せない。
   ✲ 分析はしてみるものの、継続した活動につなげていくことができない。

 つまり、「システムを導入したり、データ分析に取り組んだりしているけれど、ビジネスに貢献している実感が持てない。自分たちの取り組みに自信がもてない」、という声です。

 その一方で、人事のシステム・データ活用に関して、「主流になる考え方」や「導入すべきもの」に関する情報は溢れていいます。 主なものとしては、「タレントマネジメントシステム」「ピープルアナリティクス」「HR Tech」「AI」「HR DX」、少し角度を変えると、「ISO30414」や「人的資本経営」といったところです。(2021年9月現在)

 最初に取り上げたような声を上げている組織や人の中では、こうした情報に触れて、成果が出せない理由を「やり方が古いから」だと考えたり、「最新の技術を使えば新しい道が開ける」と期待したりしてしまうといったことが起こっているようです。

しかし、本当にそうなのでしょうか?

 逆に、こうした「トレンド」や「あるべき論」に気を取られてしまうがゆえに、自社にとって、本当に重要な課題から目が逸れてしまっているのではないか、と思わされる場面が少なくありません。

 そこで、何故、人事がシステムを導入し活用しているにも関わらず、自社の真の問題にたどり着いて、成果を上げることができていないのか、「多すぎる外部からの情報」と「少なすぎる内部の情報」という視点で、考えていきたいと思います。



目 次
多すぎる外部からの情報
  ― 大量の「解決策」「方法論」「手段」の情報が溢れている
  ― 自社の喫緊の課題を発見して解決していくためのプロセスを踏めていない
  ― 誰にも否定できない、魅力的な施策には落とし穴もある
  ― 「外部からの多すぎる情報」が引き起こす問題

少なすぎる内部の情報
  ― 課題を発見して解決していくプロセスを回すためのインフラが未整備
  ― 「内部情報が少ない」の正体とは?
   ・ 「人」の情報が、散在・散逸している。
   ・ 情報はあるが、本来の目的にあった形で取り出せていない。
   ・ そもそも、そうした課題を解決するための時間がない。
  ― 「内部の少なすぎる情報」が引き起こす問題

自社の真の問題・課題にたどり着くために
  ― 自社の課題にたどり着くために目指すべき姿は?
  ― 自社の真の問題・課題にたどり着くための提案 基礎編
  ― 自社の真の問題・課題にたどり着くための提案 システム・データ編

まとめ

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