コラム

人材・組織マネジメントにおけるデータ活用で成果を上げるために必要なことを考えます

コラム

今こそ、Excelでの手作業からの脱却を考えるとき
経営に資する人件費管理を、確実にシステム化するためには?

2022.05.02

「結局、大量の手作業が残る」にならないための、人件費管理のシステム化・成功のポイント

 こうした「Excel」の限界を超えるためにシステム化が望まれますが、ポイントをはずしてしまうと、「システムにお金と手間をかけたにもかかわらず、結局大量の手作業が残ってしまった」という残念な結果になってしまいます。そうならないためには、何を押さえておく必要があるのでしょうか?

◉ 「Excelの限界」を超えるための大前提
  関連データの集約・一元化の実現

 ▶ 関連データとは?

  *  社員の基本属性に関わるデータ
    ⇒社員番号・氏名・入社年月日・学歴・・・
  *  人に対して定期的に積みあがるデータ
    ⇒月次給与・勤怠情報・・・
  *  人の変化する属性を時系列管理するデータ
    ⇒所属情報・役職情報・等級情報・・・
  *  その他、マネジメントに必要なデータ
    ⇒プロジェクト情報・・・

 ▶ 人件費管理をスムーズに行うための、「集約・一元化」とは?
  * 各種データが一か所にまとまっていること
  * 必要な情報が適時更新され、履歴管理されていること
  * ほしい情報をほしい形式で取り出せること

 上記の「大前提」を実現したうえで、以下のことについて、本当に実現できるのか、厳しい目で確認することが重要です。

Excel作業の限界を超えるために、確認すべきポイント
▶ 「効率」を実現できるか?
 * 様々なシステムからデータ収集するための自動連携(半自動連携)が
   できる。
 * 社員単位で昇給・昇格・賞与をシミュレーションし、予算策定に取り
   込める。
 * 求められるアウトプットを設定の変更で柔軟に実現できる。

 ▶ 「修正」にタイムリーかつ確実に対応できるか?
  * 組織編制や異動情報の修正を、即時に反映することができる。
  * 策定期間中の修正履歴が残せる。
  * 意図を持ったバージョン管理ができる。

 ▶ 「粒度」 の細かい情報をコントロールできるか?
  * 個人単位、最小項目単位の情報を保持できる。
  * 保持した情報を、意図に合わせてグルーピングできる。
  * 粒度の細かい情報を維持したままで、集計・分析単位をコント
    ロールできる。
 ただ、単に担当者の作業工数が削減できる、というレベルの話に留まっていては、実際のシステム化に着手とはならないでしょう。
 そのことが、経営やビジネスにどのような価値を生み出すのかを明確にし、その実現にコミットする必要があります。

適切なシステムで実現する人件費管理が、生み出すことを期待される価値

 適切なシステムが実現した場合には、以下のような価値を生み出すことができます。言い方を変えれば、こうした価値を生み出すためにシステム化をする、もしくは、こうしたことができないならばシステム化の意味は大きく低下する、ということになります。

 システム化のためには費用と工数がかかりますが、こうした価値を生み出せるとなれば、経営からのゴーサインが出やすいはずです。

月次で人件費の予実管理を行うことで、人件費で起こっている問題をいち早く把握できる

予実差異の原因を様々な角度から検証することで、取り組むべき課題にたどり着ける

様々な仮説を前提とした、複数のシナリオを比較することで、最適な決断を支援できる

経営計画・事業計画に対する適切な人件費を計画する、堅固な土台を構築できる
(中期経営計画との連動)

 「戦略人事」「経営に資する人事」「人的資本経営」など、経営やビジネスへの人事の貢献に期待する言葉があふれています。ただ、大前提として、「ヒト」にどれだけのお金がどのような状態でかかっているのかがわかっていなければ、そもそもその土俵にも立てないはずです。どうにか頑張ってExcelで1年分の人件費の数字をまとめることができるかもしれません。しかし、不測の変化に対応し、仮説を立て直して検証し、実績と比較を行いながら、タイムリーに課題解決に向かっていくためには、それではまったく不十分であることに気がつくはずです。

 「人件費が管理できます」とうたうシステムでも、できることのレベルはシステムによって様々です。システム化成功のポイントをしっかりと押さえて、経営に資する人件費管理の実現を目指す時がきています。

<<Rosic統合人材情報システムを活用した人件費管理の事例は こちらから>>

(完)
2022年 5月 2日

1 2