コラム

人材・組織マネジメントにおけるデータ活用で成果を上げるために必要なことを考えます

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「基幹人事システムの壁」を越えて、重要業務のシステム化に成功するためには?

2023.04.28

重要業務のシステム化に成功するために、システムに求めるべきポイントは?

もし、基幹人事システムでの重要業務のサポートで壁に突き当たり、壁を超える道筋が見えないとしたら、

・ 基幹人事システムはマスタデータ管理に特化させて、柔軟な業務支援やデータ活用を担えるシステムと連携する
・ マスタデータ管理から、柔軟な業務支援やデータ活用までをカバーできるシステムに置き換える

そのどちらかを真剣に考える必要があります。

人的資本経営の実現が叫ばれるなか、人事担当者が、Excelや不完全なワークフローの仕組みと格闘し、貴重な工数を取られている場合ではないからです。

真に活用できるシステムを選ぶためには、以下のポイントを押さえる必要があります。

1.柔軟で拡張性の高いデータベース基盤であること

多くのシステムが「どんな情報でも管理できます」と謳っていますが、実は格納できるデータに制約があるケースが多く、結局、活用に耐えうるレベルの情報の一元化を実現することができません。そして目的によっては、人事情報以外にも管理すべき情報が出てくることがありますので、従業員番号に紐づかない情報も管理できる、柔軟なデータベースであればベストです。

2.周辺システムとの高度なデータ連携に対応できること

「高度」というのは、大前提として、人手を介さず自動連携ができる、ということです。そして、経営数値データ等を管理しているシステムと単純に連携できるだけでなく、連携時に受け取り側にとって適切な形へ変換できること、というのも重要なポイントです。複数システムから情報を収集して統合データベースを作る場合、連携時にデータ構造を適切に変換することができなければ、活用時に大きな障害となります。

3.定量データを時系列に抽出する機能があること

ヘッドカウント、労働時間、人件費といった数値データを、基準日指定で抽出・集計する機能が必要です。このあたりの機能が弱いと、対象データを、都度全件出力して、ピボットテーブルを駆使して資料を作成する、という作業から脱却することができません。また、システム外で加工したデータを、レポートのアウトプットに合わせた形でインポートする、というのは本末転倒です。大した効率化にもなりませんし、新たな付加価値も生み出すことができません。あくまでも、レポート出力が最後の1プロセスとなるようなシステム設計ができることが必須です。

4.部門や従業員からの柔軟かつセキュアなデータ収集機能があること

例えば、後継者候補の育成状況を、上司が定期的に更新したい、といった要件があった場合には、上司であるユーザーに、最新情報の参照と更新のためのUIを提供する必要があります。しかも秘匿性の高い情報ですから、適切な権限制御ができるしくみの上に構築する必要があります。

また、特に多くの部下を持っている上司であれば、部下全員の育成状況を一人一人確認し、更新できる機能だけではなく、EXCELに一括ダウンロードして修正したファイルをそのままシステムにアップロードする機能も用意するといった配慮も、現実的な運用には必要となってきます。

5.格納データを自在に出力できるレポート機能があること

「自在」というのは、、、
・フォーマットを自由に作れること
・出力するデータを複数テーブルから選択できること
・出力可能なレポートや参照範囲を、権限で制御できること
などを指します。

柔軟なレポート機能と適切な開示のしくみは、今後ますます重要になってくる人的資本経営の支援において、とても重要なポイントとなります。

6.独自要件に対応するカスタマイズができ、必要に応じてアドオン開発もできること

個社毎にバリエーションが出やすい領域において、設定の変更による柔軟な対応ができる設計になっていることが大前提です。また、個社独自性が強く、戦略性が高い領域については、製品本体とスムーズに連携するかたちでアドオン開発に対応できるかどうかも重要なポイントになってきます。

特に、大企業、ホールディング会社の傘下に多くの事業会社があるような場合、一般的なベストプラクティスに基づいた機能が提供されているだけではカバーしきれない領域が思った以上にあります。投資効果を考える必要はありますが、カスタマイズ・アドオンの可能性が閉ざされていると、結果的に工数削減はできず、戦略人事に踏み込んでいけなくなります。


今こそ真剣に、重要な人事業務の効率化を図り、考え行動する時間とそのためのツールを手にすることが重要になってきています。
今システムがあるにも関わらず、膨大な手作業に追われているとしたら、必ず問題があるはずです。その問題を確実に解決していくために、冷静にシステム選びをしていただきたいと思います。そのために、このコラムが少しでも参考になれば幸いです。

以上
2023年4月28日


※インフォテクノスコンサルティング株式会社では、こうした認識のもとRosic統合人材情報システムをベースに、重要業務のシステム化、システム活用の支援を行っています。
・ 基幹人事システムはマスタデータ管理に特化させて柔軟な業務支援やデータ活用を担えるシステムとして連携する
・ マスタデータ管理から柔軟な業務支援、データ活用を担える基幹人事システムとして活用する
という事例を多数持っています。ご興味のある方はお問合せください。

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