コラム

人材・組織マネジメントにおけるデータ活用で成果を上げるために必要なことを考えます

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人材データを「一元化」したはずなのに、なぜ意思決定に活用されないのか?~経営に資する一元化のためのデータベース構築のポイント~

2026.09.29

◎最近聞かれる発言のおかしさに気がつけるか?2つの「人材データの一元化」

 課題は明確、システムもある、それにもかかわらず人材データ活用ができていない理由を整理するために、最近多く耳にし、その内容が気になっているシステムベンダーの発言を分析してみます。

「人事に関わる業務システムが散在する状況を、ひとつの大きなシステムですべてカバーすることで、『人材データの一元化』が実現できる。このことによって、人的資本経営や、データドリブンの人材マネジメントを支援するインフラとなっていくことができる」 

 すっと読めてしまって、一見、当たり前のことを言っている印象を受けます。
 しかし、じつは異なる2つのことを、あたかも同じことのようにつなげてしまっている、ということに気がつく必要があります。
 この発言は、2つに分けることができます。

「人事に関わる業務システムが散在する状況を、ひとつの大きなシステムですべてカバーすることで、『人材データの一元化』が実現できる」
と、
「人的資本経営や、データドリブンの人材マネジメントを支援するインフラとなっていくことができる」
です。

 しっかりと読み込んでみると、前段は、「人事業務データの統合」、業務効率化のための一元化の話、後段は、「経営に資する人材データ基盤構築」、意思決定に必要なデータの一元化の話、をしていることがわかります。つまり、この発言には、前段と後段で本来異なる目的を持つ2つの「一元化」が混在しているのです。両者は関連してはいますが、目的も求められる要件も異なります。

 この2つの違いを理解したうえで「一元化」に取り組まないと、前段で紹介したような、「一元化したはずなのに、経営に資するレベルでのデータ活用ができていない」という状況に陥ってしまうでしょう。


◎それぞれの「一元化」で求められる「データの範囲」「データ整備」「データ連携」について整理する

v3-image01.png  業務効率化のための一元化と、意思決定に必要なデータの一元化では、扱うデータの範囲、データ整備に求められるレベル、データ連携に求められるレベルが異なります。

 まず、「扱うデータの範囲」。
 業務効率化のための一元化では、複数の人事業務システムで管理されている各種データが対象になります。一方、「意思決定に必要なデータの一元化」では、意思決定のために必要なデータのすべてが対象となります。そうなると、「人事」の枠を超えることも十分にあり得ます。

 次に、「データ整備のレベル」。
 業務効率化であれば、社員番号に紐づくデータの一元化、がメインになるでしょう。一方、意思決定のための一元化であれば、自社で必要となる高度な分析にも耐えられる構造での、多面的なデータ整備が求められます。

 最後に、「データ連携のレベル」。
 業務の効率化であれば、社員番号に紐づいていれば、各機能、各システムで保持している形で連携しているレベルでOKとなることもあるでしょう。一方、意思決定のための一元化では、質的な面では、複雑な変換を伴った連携が必須となったり、量的な面では、大量のデータに対応できる連携が求められることが考えられます。

 「意思決定に必要な人材データの一元化」をしていくためには、以下のようなポイントを押さえておく必要があるということです。

✔ 業務システムで保持している"人材データ"だけでは、不十分なことも十分あり得る。
✔ 「活用・分析」のためのデータ構造、マスタ管理、コード管理等が必要。
✔ データ変換や大量データの連携などを視野に入れる必要もある。


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